避妊手術は自分に必要か十分に考える

体調面や子育ての不安や、性交渉を安心して楽しむために等、避妊手術を希望して実際に決断している人は少なくありません。
パートナーがいる場合には、避妊法を一緒に選ぶことはとても大切です。
まずは本当に避妊手術が必要であるのかどうかを熟考し、一つに決断する前に夫婦生活をする上でのさまざまな避妊法について学ぶ努力をするべきです。
それは、避妊手術にはメリットだけでなくデメリットもあるからです。

男性では「パイプカット」という避妊手術があり、精管を切断または塞ぐというものです。
独身の人では本人の同意書、結婚している人ではパートナーとよく話し合って同意を得る必要があります。
パイプカット手術は、精子を作るところから精子を運ぶ管(精管)を通って体外に排出するという仕組みから、その精管を切断することによって体外に運ばれなくなるので、おおよそ100%の避妊率となりますが、精子が作られなくなるというデメリットもあります。

女性では「卵管結紮」という避妊手術があり、卵管を縛る、もしくは卵管をレーザーで焼くというものです。
母体保護法により一定の条件(複数回の帝王切開経験等母体の生命に関わる)を満たす場合に限って、パートナーの同意を得て、受けることができる手術でもあります。
実際に、帝王切開を2回以上している母体に対しては、3回目の妊娠は子宮へ大きな負担をかけることになりますので、帝王切開を受けることが決まっている人に対して、医師から卵管結紮の説明があることが多いです。

卵管結紮手術は、卵管を縛ったりすることによって、卵管の機能を失わせるというもので、とても高い避妊率となります。
自然分娩時には産後1~3日目にへその下を1.5~2cm切開して行い、帝王切開時には同時に行います。
費用は帝王切開と同時では1~5万円と安く抑えられ、自然分娩の入院中では10万円前後、出産に関係なく入院手術では20万円前後がかかると言われています。

また妊娠したくなったらそれは可能?

避妊手術は人生設計を行う上で妊娠を望まない場合には大きなメリットを及ぼします。
離婚となって新しいパートナーと再婚となった時など、子どもが作れない状態となっていることをどのように考えるのか、また、新しいパートナーにも伝える必要が出てくるという点を覚えておきましょう。
特に男性のパイプカット手術後は普通の性交渉では子供は作れなくなりますが、再生手術というものもあります。
しかしこの再生手術は絶対に成功するという保証はありません。

また子どもが欲しくなった時には不妊治療を受けることになりますが、その際にはパイプカット手術を受けたということを報告することにもなります。
パイプカット手術をすると、精子の生産がストップしてしまい、精子の生産機能はどんどん低下していきます。
これは新しい精子を生産しても体外に排出できないという判断を体が下すからです。
現代では再生しやすいパイプカット手術も開発が進んでいることも事実ですので、受けようと考えている場合には、パートナーとよく検討しましょう。

女性の卵管結紮手術後は高い避妊率となりますが、まれに妊娠することもあります。
その確率は術後10年間で約2%となっていて、そのうちの1/3は子宮外妊娠というデータが出ています。
このようなリスクもあることを知っておくことは重要です。
再度妊娠を望む場合、卵管結紮手術後は元の状態に戻すことは困難で、再建術はとても難しいものがありますが、体外受精という選択肢はあります。
但し、母体への大きな負担と高額な治療費が必要となることも心得ておきましょう。
一度行ってしまうと簡単には元に戻せない避妊手術は、本当に自分たちにいま必要なものなのかということを、メリットとデメリットを踏まえた上でパートナーと熟考することが大切です。

皆さんは正しい避妊の知識はありますか?避妊方法は複数あり、避妊方法の数だけ、メリットやデメリット、リスクなどがあります。今回はピルに関する避妊方法を中心に、様々な視点から避妊について考えてみたいと思います。